なお、四足歩行ロボット「Spot」の恒常的な導入は、国内鉄道業界初の取り組みだ。
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本技術検証は、現在、検査員が行っている電気設備や車両搭載機器の点検・検査業務において、本ロボットに搭載された各種カメラ・センサを用いて機器設備の状態を把握することにより、点検・検査業務の高度化・効率化を目指すものだ。
本ロボットは、従来のロボットに比べて高い走破性があり、鉄道施設内のさまざまな場所での検査が可能です。さらに高機能カメラ・センサを追加搭載可能なため、四足歩行ロボットの柔軟な動きに合わせて細部まで捉えた画像・映像データや、数値化されたデータを確認することができ、より精度の高い検査が可能となることが期待されるという。
まずは元住吉駅周辺の変電所・車庫を対象として、本ロボットを導入する。変電所の定期検査で行う電気設備のメーター読み取り業務を、本ロボットが撮影した画像から正しく読み取って行うことができるか検査員により確認する。
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また、現在人の目で行っている各設備の外観検査などをサーモグラフィカメラで数値化することで、定量的な評価による検査結果への変更が可能か、さらに、現場で作業員が行っているガス漏れ検査を、本ロボットに搭載している超音波カメラ(音響モニター)でガスの漏れの位置を特定して可視化し、定量的に評価できるかを検証する。
また、車庫で行う検査では、撮影した画像から車両搭載機器の取り付け状況や摩耗状況を正確に確認できるか検証する。
本ロボットの導入により、現場点検・検査業務終了後に事務所で行っていた業務を、現場・事務所で並行して行うことで業務の効率化を目指すという。
将来的には、技術検証エリアや本ロボット導入対象業務の拡大や、AI画像解析システムなどの活用による数値化および検査表への自動入力、各種点検・検査業務で取得した画像やデータをシステムに蓄積して可視化し、点検頻度・時期を適正化し故障を未然に防止することを目指す。また、グループ会社とロボットを活用した業務の高度化・効率化のノウハウを連携していく予定だ。
東急電鉄が2024年3月に策定した中期事業戦略で掲げる、安全で安心な移動の持続的提供を目指し、本ロボットの導入により、鉄道事業における点検・検査業務の高度化・効率化を推進するとしている。