これにより、河川や湖沼、沿岸部におけるより深い水域の地形測量に関するデータを効率的かつ安全に取得できる。テラドローンは、防災・インフラ整備・環境調査などの領域における活用を推進するとしている。
- Advertisement -
背景
近年、河川や湖沼、沿岸部の地形測量では、水深や地形の変化のより詳細なデータの取得が求められている。しかし、従来のドローンを活用しない測量方法では、人が水中に入ったり船を出す必要があったり、効率性や安全性に課題があった。
近年、ドローンの活用が普及し、測量分野でもその利便性が注目されている。こうした流れの中で注目されているのがドローン搭載型のグリーンレーザだ。
グリーンレーザは、水中でも屈折しながら光が届く特性を持つため、浅瀬の水底地形や湿潤地を効率的に測量できる。さらに、3次元データを活用することで、地形の詳細データを取得することが可能だ。
- Advertisement -
実際に、グリーンレーザを活用した測量案件は増加傾向にあり、公共入札データの分析によると、2022年度から2023年度にかけて約3.4倍増加しており、市場における技術の普及と需要の高まりが明らかになっている。
このような状況下において、テラドローンは、最新のグリーンレーザ「YellowScan Navigator」の活用を決定した。これにより、より深い水域でのデータ取得が可能になった。
「YellowScan Navigator」を活用したサービス概要
「YellowScan Navigator」 は、高い測深能力を持つグリーンレーザであり、より深い水域での測量ができる画期的な製品だ。従来、同等のスペックを持つ製品は大型のものが主流でしたが、「YellowScan Navigator」 は高性能を維持しながらもコンパクトな設計だという。
その優れた操作性により、これまで困難だった環境での測量が可能になった。テラドローンではこれを活用した河川・湖沼・沿岸部などの地形測量サービスを提供する。
<特長>
- Advertisement -
深い水域の詳細なデータの取得が可能
日本国内で利用が普及しているグリーンレーザでは最大1~1.2セッキが標準でしたが、本製品では最大2セッキまでの計測できる。
これにより、今まで計測が難しかった河川や湖沼などの水域でも測量が可能となり、より詳細な地形データを取得できるようになった。これまで測れなかった深部の地形もデータ化できる可能性が広がったため、調査の幅が広がるという。
濁った水域や障害物の影響を低減
本製品はエコー(反射波)を最大10回まで取得可能で、測定環境がより厳しい状況でも安定したデータを取得できる。例えば、川の水中に泥や微粒子が多く漂っている場合でも、エコー数が増加したことで濁度の高い水域でもより確実にデータを取得可能だ。
また、川の上に木の枝がかかっているような環境では、これまで測定が困難だった場所でも、測量成功の確率が向上した。


YellowScan Navigatorの製品仕様
精度 | 3 cm |
確度 | 3 cm |
最大計測深度 | 2セッキ |
GNSS慣性ソリューション | SBG Quanta Micro |
スキャナーの視野 | 40° |
エコー数/ショット | 最大10 |
ショット数/秒 | 最大20,000 |
重量 | 3.7 kg(バッテリーを含まず) |
レーザークラス | クラス3B |
今後の展望
今後、テラドローンは、測量業務のさらなる効率化を進めるため、最新のデータ解析技術を活用して、より短時間で高精度な測量を実現していく。また、ドローン搭載型LiDARの開発メーカーとして培ってきた豊富な実績と計測解析の経験を活かし、グリーンレーザの性能を最大限に引き出した測量サービスを提供するとしている。
テラドローンは、費用対効果と精度の両立を実現するグリーンレーザ測量の導入拡大が、今後さらに広範囲での活用を推進すると考えており、ドローン測量ソリューションにおける多様なニーズに応えていくという。