ESPNは冬季X-Gamesの中継にドローンからの空撮を取り入れる。ESPNが主催する夏と冬のスポーツイベントX-Gamesの放送では、常に最先端の放送技術を取り入れてきた。前回まではフライカムやスカイカムといったリモートカメラを使った中継も採用。そして今回のドローンからの空撮中継は、米国スポーツ放送業界にとって初チャレンジとなる。
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ESPNでは、昨年9月に米連邦航空局(FAA)が商業目的に無人偵察機を利用する許可を特定のベンダーに承認したことをきっかけに、スポーツ中継でドローンを利用できる機会を探していたという。そして今回、ESPNが求めるドローン空撮ができるベンダーとして特定したロサンゼルスに拠点を置くVortex Aerial社と組み、“限られたスペース(閉集合環境)”で航空交通を妨げないこと、そしてベンダー側のパイロット免許と健康診断証明提示という条件のもとにFAAへドローン飛行許可の申請を行った。ESPN&ABCスポーツリモートプロダクション・オペレーション担当バイスプレジデントのクリス・カルチナリ氏は「全てが初めて行うプロセス。FAAの厳しい審査を経て、予定ぎりぎりに承認を得ることができた」とESPNの公式サイトで語っている。申請許可がおりるのに数か月を費やしたという。
運用するドローンは特注のもので、サイズは直径約101cm、重さは約11.3kg。飛行高度は地上から122m程度。PARALINXの送受信システムとパナソニックのGH4一眼レフカメラをマウントし、1080p60の映像ストリームを生成する。ドローン運用チームはパイロット、カメラオペレーターと補佐の3名で、肉眼でドローンを常に確認できる位置で運用することが義務づけられている。
飛行場所はFAA規制内に収まるXコースで、2つの競技「Snowboarder X」(放送日:1月22日)と「snowmobile」(放送日:1月24日)にて運用された。
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1月22日に行われたリハーサルの様子
(山下香欧)