検証では、山奥にある砂防堰堤に対し、全長7km超の自動航行を実施し、被災状況確認の効率化に対して十分な効果を確認した。
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取り組み背景
砂防堰堤は山間部に設置され、大雨による土砂崩れや土石流を防ぐ役割を果たしております。山間部に設置されているため、移動だけでも多くの時間を要する。
地震や噴火など起きた際は現場の状況確認に迅速性が求められるが、危険が伴うため現場へ近づくことが厳しくなる。そこで上空LTEに対応ドローンを用いた長距離飛行の空撮を実施し、被災状況確認の効率化の効果検証を実施した。
実証概要
実証日時 | 2024年9月~11月 |
実施場所 | 長野県、群馬県、静岡県における砂防堰堤 |
実証内容 | ドローン空撮(自動航行)により砂防堰堤の状況確認が可能か検証 |
使用機体 | Parrot(仏)製 ANAFi Ai |
役割分担 | アジア航測: 飛行計画立案 NTTイードローン: 機体運航 |
実証結果
撮影対象の砂防堰堤から高度約50ー100mで撮影を実施し、状況の確認が可能であることが確認できた。
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ANAFi AiのFlightPlan機能を用い、山の斜面に沿ってウェイポイントの高度を設定し、砂防堰堤通過時のジンバル角度、画角を調整することで砂防堰堤の上流、下流、周囲のそれぞれの状況を自動航行によって確認することができた。
今後の取組み
砂防堰堤などの砂防関係施設は一般にアクセスがしにくい山間部の渓流内にあり、樹木や地形の制約から、機体とプロポの通信可能範囲が制限されてしまうという課題があった。
今回、上空LTE を利用することにより、通常よりも遠方から調査を行うことができ、調査の効率だけでなく調査員の安全性の向上にもつなげることができると感じたという。また、今回使用した機体はドローンの中では小型で、可搬性にも優れることから砂防分野での活用が期待される。
実証試験では、事前に机上検討した飛行ルートを参考に、現地でテスト飛行を行い、最終的なコースやジンバル角度などの調整した。今回の実証では安全管理や品質管理の観点からルートの微調整を綿密に行いながら飛行を実施したが、緊急時を想定すると机上におけるルート設定の精度向上が課題になると想定される。
アジア航測ではNTTイードローンと連携し、今後もドローン活用の知見を蓄積しながら実際の現場における活用を目指すとしている。