この実現に向け、研究機関であるNLRは、燃料電池システムの開発のためにzepp.solutionsと協力契約を締結した。この提携は、NLRが2026年に液体水素を用いたデモフライトを実施するという目標を支える重要な柱となっている。
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NLRは、近い将来、液体水素を使用した有人飛行を実現することを目標としている。そのため、NLRは電動研究機である「Pipistrel Velis Electro」に水素駆動システムを追加する予定だという。このシステムの中核となるのが、zepp.solutionsが開発する燃料電池システムだ。
zepp.solutionsは、オランダの中小企業であり、水素および燃料電池技術に関して長年の経験を持ち、燃料電池システムの開発に特化している。
持続可能な航空の実現へ
この協力契約により、航空業界を2050年までに気候中立化することを目指すNLRのプログラム「気候中立航空」において、革新的かつ持続可能な技術の開発に向けた重要な貢献がなされる。
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NLRとzepp.solutionsの新たな提携は、オランダの航空業界エコシステム内で、持続可能な航空に向けた具体的な進展を遂げるための共同フォーカスを具現化するものだとしている。zepp.solutionsは、航空用燃料電池システムの開発を目指しており、この協力関係により大きな貢献が期待される。
また、この分野でのローンチングカスタマーとして、NLRはzepp.solutionsに技術の実証およびさらなる開発の機会を提供する。zepp.solutionsが開発するシステムはPipistrelに統合される予定である。この小型電動航空機は、NLRが革新的技術を実証するためのプラットフォームとして活用される。
デモフライト
zepp.solutionsは燃料電池システムを開発するだけでなく、Pipistrelへの統合およびデモフライトまでのすべての試験活動にも関与する。このアプローチにより、両者の知識と技術を最大限に活用し、デモフライト成功の可能性が高まる。
NLRのショーケースプロジェクト責任者であるアルヤン・クルースターマン氏は、次のようにコメントしている。
クルースターマン氏:NLRはこのプロジェクトを通じて、有人航空用の水素コンポーネントおよび駆動システムの開発と統合に関する知識と経験を蓄積することを目指しています。
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物理的な統合に加え、水素を航空機に導入する際に直面する耐空性および安全性の課題が最大の挑戦となります。2026年に予定されているデモフライトまでの全過程は、水素技術の統合に関する貴重な知見を提供し、航空業界におけるさらなる発展および技術導入への足掛かりとなります。zepp.solutionsとの協力は私たちにとって不可欠なステップであり、NLRのKLVショーケースに重要な貢献を果たすでしょう。
zepp.solutionsの共同創設者であるヤン・ボット氏も同様に、次のようにコメントしている。
ボット氏:私たちの燃料電池技術は、さまざまな分野で実績があります。効率的でコンパクトな燃料電池システムの開発において豊富な知識と経験を持っていますが、航空業界はまた別の挑戦を伴います。この協力関係は、互いに学び合う貴重な機会であり、非常に価値があります。Pipistrel向けの水素システムの開発を通じて、水素の航空業界での可能性を示すとともに、この分野において非常に有益な教訓を得られるでしょう。