「最大積載量50kg・飛行距離50km超のVTOL型有翼電動ドローン」はまだ国内では実例がない。今回の飛行試験では、おもり20kg積載とおもり40kg積載で浮き上がるか実験を行い、試作機は浮上したという。
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大型ドローン開発の狙い
当大型ドローンの開発は、赤坂研究室が大学発新産業創出基金事業スタートアップ・エコシステム共創プログラム 「R6年度 TeSH GAPファンドプログラム」 ステップ1に採択されて取り組む「最大積載量50kg・飛行距離50km超のVTOL型有翼電動ドローンの事業」の一環として行われている。
令和6年能登半島地震では、被災地の港が隆起したため、救援物資輸送船が接岸できないという想定外の課題が浮き彫りになった。ドローンは充電に数時間要するほか、物資輸送に使用するには予備のバッテリの準備も必要となる。
赤坂准教授は当初、七尾湾から珠洲市までを飛ぶドローンを開発しようと思ったが、片道60kmは現在の技術では厳しかったため、50kmの飛行を開発目標に設定した。50kmの飛行距離であれば、沿岸の船から物資を運ぶことも含め、一回の充電で往復がたくさんできるというメリットもあるという。
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飛行試験当日は「最大積載量50kg」を実現する上で事前に技術的な検討を行うために試作された機体を使用した。横幅2.5m×奥行き1.5mでプロペラは8つ。機体はバッテリ8個を搭載すると約90kgの重量となる。
ドローンを大型にすると、機体自体の振動が問題だ。そこで試験飛行では、まずどの程度振動が生じるか検証した。積載なしでは、浮上およぶホバリング時に特に大きな振動がなかったことより、おもり20kg積載とおもり40kg積載で浮き上がるか実験した結果、見事浮上した。
しかし40kg積載実験直後から雨風がひどくなり、積載量50kgや十分な振動実験をできなかったが、初飛行としては十分な成果を収めたという。
赤坂研究室では今回の飛行試験で得られたデータをもとに、固定翼をつけた試作機の開発を進め、25年3月初め頃の飛行試験を予定している。
赤坂研究室 大型ドローン開発プロジェクトメンバー
航空システム工学科 赤坂 剛史 准教授
大学院 機械工学専攻 博士前期課程2年 大賀 竜平さん
航空システム工学科 4年 圓山 峻平さん
航空システム工学科 4年 川崎 拓真さん