2016年11月20日(日)午前、DJI JAPAN株式会社及び株式会社スカイシーカーと「ドローンの安全かつ有効な活用推進に向けた合意書」を提携しているあきる野市(東京都)が「平成28年度あきる野市総合防災訓練」の中でドローンを活用した救援物資運搬訓練を実施した。
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防災訓練会場は市立五日市小学校のグラウンド。当日は天気も快晴、少し肌寒い中ではあったものの多くの市民も参加して防災訓練が実施された。物資運搬に使用するドローンはDJIの業務用ドローンMatrice 600(以下:M600)。機体下部に今回のために制作されたカーボン製の物資運搬用BOXが装着されている。
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訓練は、孤立地域に見立てた場所をグラウンドの中央に設置。そこに取り残された人に対して救援物資として水や食料、通信機などを届けるというもの。孤立した人役のスカイシーカー平井氏が「おーい、誰かいますかー」と助けを求めるところを合図に訓練がスタートした。
助けを求めて少しすると、M600が上空へ飛来してきた。M600は完全自律的にコントールされており、直線距離で300m~400m離れたあきる野市役所五日市出張所から救援物資を訓練会場である小学校のグラウンドへ運搬してきている。
孤立地域へ到達したM600は上空で20秒ほどホバリングを始める。これは、プロポからの制御信号を確認しているとのことで、この時点で制御信号を受信すればプロポからの制御を受け付けるモードになる。今回はプロポからの電波が届かない想定の訓練なので、自律制御モードのまま離着陸を行った。物資ももちろん着陸後に自動で箱の底が開き、下ろすことができる。
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物資を下ろしたM600はそのまま再浮上、着陸前と同じように20秒ほど上空でホバリングしてプロポからの制御信号がないことを確認し、自律モードで最初の離陸場所へ戻っていった。
奇しくも2日後の22日には福島県沖でM7.4の大きな地震があったばかり。幸い大きな被害は無かったようだが、熊本、鳥取と大きな地震や災害が続いている中で、このような試みを国や都道府県ではなく市区町村レベルで進めていくことにはとても大きな価値があると考える。ローコストで小回りがきくドローンは、こういった中小規模の自治体にとってとても価値のある道具である。