本製品によりロボティクスや空間認識における3Dセンシングのさらなる高精度化に貢献し、幅広い活用が可能だ。本製品は2025年5月からサンプル出荷開始、2025年10月に量産開始を予定している。
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また本製品は、2024年12月4日(水)~6日(金)に開催される「国際画像機器展 2024」のTOPPANグループブース展示予定だ。
背景と概要
昨今のスモールモビリティやロボティクスでは障害物や段差の検知、ゲーミングではユーザーと対象物までの距離を計測し自己位置の把握と周囲環境の地図生成で、3D ToFセンサが広く使用されている。
これらの用途では小型かつ高性能なバッテリー駆動製品が多く、搭載される3Dセンサには「高い距離精度」だけではなく、「低消費電力」、「低遅延」、「小型化」への要求が高まっている。
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TOPPANホールディングスは2023年にロボティクス向けとして、「ハイブリッドToF」による4つの性能(長距離測定、屋外測定、高速撮像、複数台同時駆動)を実現した第一世代のセンサを開発した。
今回、新たに小型ロボットやスマートグラスへの搭載を可能にした3D ToFセンサを開発。本製品では第一世代の4つの性能に加え、「HDR機能」、「画素ビニング機能」を内蔵することにより、より高い精度で距離の測定とデータ転送の最適化を実現している。
また、センサの電力消費量を削減する「ディープパワーダウンモード」の実装、回路設計の最適化によるセンサチップの小型化した。これらによって、小型な配膳ロボットやロボット掃除機、バッテリー駆動のスマートグラスなどに搭載するカメラの3D ToFセンサとして最適な製品となっているという。
特長
優れた距離精度での距離測定を実現
TOPPANグループ独自の技術である「ハイブリッドToF」を活用し、最大120fpsの高速動作、外光ノイズをリアルタイムに除去するセンサ駆動、低モーションアーティファクトを実現した。
新たに「HDR機能」、「画素ビニング機能」をセンサに内蔵した。HDR機能では、ToF方式が苦手としている低反射率と高反射率の対象物を同時に捉えることが可能になった。
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また、4×4画素ビニング機能では16画素を1画素として扱うことで、第一世代の4倍のSN比を実現した。これらの機能により距離ノイズを低減し、これまで以上に正確なセンシングが可能だ。
さらに、センシングしたい画像領域を切り出す機能により、データ処理量の削減とデータ転送の高速化を実現。この機能により、ユーザーのシステム処理負荷を軽減できる。
センサの低消費電力化を実現
センサの待機電力を削減するディープパワーダウンモードの搭載により、待機電力5mW以下を実現した。家庭用ロボット掃除機、VR/AR機器、ドローン等小型バッテリー駆動製品の省エネ/長時間作動に貢献する3D ToFセンサとして、様々な製品への組み込みが想定される。
センサの小型化を実現
センサ設計の最適化で従来製品から入出力ピン数を削減することにより、同社従来品と比較して約20%のセンササイズ小型化を実現。これによって、周辺機器のハードウェア設計の柔軟性を向上させ、コストの大幅な削減ができる。
本センサはこれらの特長により、近年急成長しているスモールモビリティ、ロボティクス、ゲーミングといったアプリケーションの中でもシニアカー、ロボット掃除機、スマートグラスなどで正確に対象物を捉え安全に駆動するために最適な製品となっているという。
「国際画像機器展 2024」 開催概要
会期 | 2024年12月4日(水)~6日(金) |
会場 | パシフィコ横浜 展示ホールD |
主催 | アドコムメディア株式会社 |
ブース番号 | 47 |
今後の展開
TOPPANホールディングスは2025年5月に本製品のサンプル出荷の開始、2025年10月に量産開始を予定。新型ToFセンサとそれを搭載したカメラ、ならびにその周辺受注を含めて、2025年度中に約15億円の売上を目指すとしている。