- Advertisement -
NASAは最近、技術実証機衛星「Pathfinder」(PTD-4)の初期飛行データと画像を評価し、搭載電子機器や小型オンボードカメラなどのペイロード支援システムの正常動作を確認した。
現在、PTD-4ミッションの主要目的である新たな電力および通信技術のデモが進行中だという。ペイロードには、軽量統合太陽電池アレイとアンテナ、略してLISA-Tと呼ばれる展開型太陽電池アレイが含まれており、中央のブーム構造の展開が始まっている。
このブームは、ソーラーパワーと通信アレイを支え、これらのアレイは「花弁」とも呼ばれる。中央のブームを解放することで、まだ収納された花弁がPathfinderから約1メートル離れる。現在、ミッションチームはLISA-Tの中央ブームを完全に展開させる初期の課題に取り組んでおり、その後、花弁の展開と電力生成および通信操作を開始する予定だ。
- Advertisement -
深宇宙ミッションにおいて、小型宇宙船には現行技術が提供する以上の電力が必要となる。LISA-Tの4枚の花弁状の太陽電池アレイは、薄膜ソーラーアレイであり、現在の太陽電池アレイに比べて質量と収納体積が低く、質量と体積あたりの発電能力が3倍に向上する。この軌道上での技術デモは、薄膜ソーラーアレイの展開、運用、環境耐性を含む。
アラバマ州ハンツビルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センターの副センターチーフ技術者であるジョン・カー博士は次のようにコメントしている。
カー博士:LISA-T実験は、NASAと小型宇宙船コミュニティにとって、薄膜で完全に柔軟なソーラーおよびアンテナアレイのパッケージング、展開、運用を宇宙で進める機会です。これにより、多様なミッションアプリケーションで電力生成と通信能力が大幅に向上します。これらの能力は、小型宇宙船を用いた深宇宙探査や高価値の科学の達成において不可欠です。
技術実証機衛星「Pathfinder」のミッションは、小型宇宙船の能力を高めるための革新的技術をテストするために商用プラットフォームを活用している。LISA-Tのような薄膜ソーラーアレイを宇宙の過酷な環境で展開することは、大きくて柔軟な非金属構造物を質量比が高い状態で展開するという固有の課題を伴う。
LISA-Tのような実験を小型で低コストの宇宙船で行うことにより、NASAは高い成果が見込まれるリスクを取りながらも、リスクを管理できる機会を得ることができる。LISA-T実験は、統合されたアレイによる電力生成と通信能力の向上を通じて、将来の深宇宙ミッションを可能にすることを目指している。
- Advertisement -
PTD-4は、LISA-Tと呼ばれる軌道上技術デモをホストしている。PTD-4は、2024年8月16日にカリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地の発射台4Eから打ち上げられたSpaceXのTransporter-11ロケットから低軌道に展開された。
アラバマ州ハンツビルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センターは、LISA-T技術とその支援アビオニクスシステムを設計・製造した。NASAのカリフォルニア州シリコンバレーにあるエイムズ研究センターに拠点を置くNASAの小型宇宙船技術プログラムが、PTD-4ミッションおよびパスファインダーテクノロジーデモミッションシリーズ全体を資金提供し、管理している。